本文へスキップ
ReturnCheck

モニターの光漏れ・ムラを確認する方法 — どこまでが正常か

ノートPCやモニターの光漏れとIPSグローの見分けかた、消費者向け保証がこれに基準を置かない理由、そしてあなたの写真が嘘をつく理由。

最終確認 2026-09-01

すぐ開くこのガイドで使う検査ツール

明かりを消して映画を再生したら、画面の下の隅がうっすら光っている。昼間、文書を書いているあいだは一度も見えなかったものです。多くの人は、それが不具合にあたるのかどうかわからないまま、返品期間の残りを過ごします。

ドット抜けのガイド一点を扱うのに対して、こちらは面が均一に光るかを扱います。軸が違います。ドット抜けは在るか無いかですが、輝度のムラはつねに程度の問題なので、「はい/いいえ」では答えきれません。

光漏れ・IPSグロー・ムラは別の三つ

原因が違い、そのうち一つはそもそも不具合ではありません。

光漏れ(バックライト漏れ)は、パネルの縁とフレームの隙間から光が逃げているものです。黒い画面で、隅や辺に沿って特定の明るい斑が見えます。頭を動かしても位置は変わらず、毎回同じ場所にあります。組み立ての公差とパネルへの圧力から生じるので、個体差が大きく出ます。

IPSグローはIPSパネルの視野角の性質です。斜めから見ると、自分に近い側の隅が銀色がかった灰色に浮きます。頭を動かすと、明るい範囲も一緒に動きます。真正面からだと薄れるか消えます。IPSパネルはどれも程度の差はあれこうなります。不具合ではありません。

ムラ(クラウディング)は逆に明るい画面で出ます。グレーの背景が薄い雲のようにまだらに見えたり、一つの隅が黄色や青に転んだりします。見分けの鍵は、黒ではなくグレーと白で見えることです。

この区別が大事なのは、IPSグローを理由に交換しても、交換品にも同じものがあるからです。三回交換して諦める人は、たいていここで詰まっています。

見える画面 頭を動かすと 不具合か
光漏れ 動かない 程度による
IPSグロー ついてくる いいえ
ムラ・クラウディング グレー、白 動かない 程度による

有機ELでは、最初の二つは当てはまりません

光漏れとIPSグローは、パネルの裏にバックライトがある液晶の性質です。有機ELの画素は自分で光っていて、裏にランプがありません。黒い画面では画素が単に消えるだけなので、漏れる光そのものがありません。

黒い有機ELの画面で何かが浮くなら、別のところを見てください。映り込み、ごく低い輝度で出る階調の段差、あるいは残像と焼き付きです。焼き付きは逆向きで、有機ELの現象であり液晶ではほとんど起きません。両方に出るのはムラです。

どちらを持っているかは製品の仕様表でわかります。IPS・VA・TNは液晶、OLED・AMOLEDは違います。

条件が結果を決める

上のドット抜け検査を開くと、画面が黒とグレーで塗りつぶされます。画素の確認と同じ画面ですが、今回は点を探すのではなく面を見ます。

ドット抜け検査の全画面グレー表示。上部に色のカウンターと操作の案内、右上に終了ボタンがある。

条件を間違えると、在るものを見逃すか、無いものを見ることになります。

部屋を暗くする。明かりが点いていると部屋がパネルに映り込み、映り込みと光漏れを分けられません。

目を一、二分慣らす。暗い部屋に入った直後に見る黒い画面は、実際より均一に見えます。

ふだん使っている明るさで見る。最大まで上げれば、どのパネルも漏れます。問うべきは最大輝度で漏れるかどうかではありません。実際に作業する明るさで気になるかどうかです。

正面から一度、斜めから一度。この二回が、IPSグローを除外してくれます。

あなたの写真は大げさに写る

判断がいちばん狂うのがここです。

暗い部屋で黒い画面を撮ると、カメラは自分で露出を上げます。肉眼ではうっすらとしか感じない浮きが、写真では懐中電灯のように写ります。ネットに投稿される「これはひどいですか?」の写真の多くは、その状態です。

これは逆にも働きます。その写真を販売店に送ると、誇張として読まれます。つまり、本当に深刻な個体が同じ扱いを受けることになります。

写真を撮るなら、自動露出を切って肉眼に近い明るさで撮ってください。スマートフォンなら、長押しでピントを固定してから露出のスライダーを下げます。それが面倒なら、誤解を招く写真より言葉のほうがましです。

  • どの範囲か — 画面を四分割して。「左下の隅」で十分具体的です
  • どの明るさで — ふだんの設定か、最大のときだけか
  • 動くとどうなるか — ついてくるならIPSグローです
  • どんなときに気になるか — 「暗い場面で字幕の横が浮きます」

最後の一つが最も重みを持ちます。程度を争うより、使用場面を説明するほうがうまくいきます。

基準はあります。ただ、あなたの保証書には無いだけです

「光漏れに基準はない」とよく言われますが、正確ではありません。

国際規格には数字があります。電子ディスプレイの人間工学規格ISO 9241-303は輝度の均一性を扱い、画面全体での差が1.7:1を超えないことを求めています。

均一性を売りにして保証している製品もありますEIZO ColorEdgeのモニターには1台ごとに調整レポートが付き、画面25点で測った色差(ΔE00)と輝度の比(ΔLR)が数値で載っています。色が重要なモニターでは均一性が売りなので、数字が付くのです。

抜けているのは別のところです。消費者向けのノートPCやモニターの保証は、光漏れがどこまで許容されるかについて、ほとんど何も書いていません。ドット抜けについては個数の基準を置く同じ文書が、輝度の均一性については触れません。規格が無いからではなく、その製品がそれについて保証されていないからです。

ですので実務上はこう分かれます。

返品期間の中なら、争うことは何もありません。その窓は理由を問わないことが多いので、「仕様の範囲内か」は問いになりません。間に合ううちに確認することが、答えのすべてです(いつまで返品できるか)。

窓が閉じたら、判断は向こうのものです。サービスセンターがほかの個体と比べて決め、「どれもそう見えますよ」が現実にありうる結末です。しかもそれが本当であることも少なくありません。

掲示板の「これくらいなら交換になる」という話が当てにならないのは、そのためです。買った製品の保証書にその数字が無いなら、それは一人が一人の担当者から聞いた話でしかありません。決めるのは、その製品の保証条件販売店の返品規約の二つの文書です。

中古で買うとき

光漏れは中古の取引でとくによく隠れます。出品写真は明るい画面ですし、待ち合わせもたいてい明るい場所です。

実物を見られるなら、黒い画面を出して、画面の一部を手で囲って影をつくってください。徹底的ではありませんが、ひどい個体ならその程度でも自分から見えてきます。中古ノートPCの確認一覧と合わせて使ってください。

短くまとめると

暗い部屋で黒い画面とグレーの画面を見て、そのあと斜めからもう一度見る。明るさが頭についてくるならIPSグローで、不具合ではありません。動かないなら光漏れです。程度が気になるなら、基準を探すより返品期間がまだ開いているかを確認するほうが先に進めます。

同じ画面で見つかる点の不具合はドット抜けのガイド、画面に残る模様は残像と焼き付きへ。