充電は一つの部品ではなく、経路です。電力はコンセント、アダプター、ケーブル、端子、充電回路、そして最後にセルを通ります。どこか一か所で切れても、出てくる症状は同じです。
だからこそ、部品を取り替えていくより上の層から順に消していくほうが速いのです。
このガイドは電力が届かない場合の話です。充電はできるのに減りが異常に速いなら、それは別の問題で、ノートPCのバッテリーの状態を確認する方法で扱っています。
何より先に、安全の確認
まずこれを見てください。ノートPCの底面が膨らんでいる、トラックパッドが浮いている、蓋が平らに閉まらないなら、バッテリーが膨張している可能性があります。
その場合はここで止めて、このガイドの残りを進めないでください。
- 使用をやめ、充電器を外す
- もう充電しない
- 押す、穴を開ける、無理に取り出す、のいずれもしない
- 電源を切り、燃えやすいものから遠ざける
- メーカーのサービス窓口か販売店に連絡し、膨張していることを伝える
膨らんだリチウムセルは、物理的な圧力や充電の継続で発火しうるものです。充電できない原因のなかで、これだけは順番を飛び越します。
第1層:コンセントとアダプター
別のコンセントで試す。電源タップの死んだ差込口や、切れたままのスイッチは、誰も認めないほど多くの原因になっています。壁のコンセントに直接挿して比べてください。
アダプターの表示ランプを見る。ノートPCのアダプターにはたいてい小さなLEDがあります。何もつながずにコンセントに挿して、点くか確認してください。点かないならアダプターが死んでいます。
温まるか触ってみる。動いているアダプターは負荷がかかると少し温かくなります。冷たいまま無反応なら、内部で切れている可能性があります。
出力の定格を確認する。ラベルの電圧と電流(またはワット数)を、もともとのものと比べてください。物理的に挿さるけれど出力の小さい借り物のアダプターでは、使用中はまったく充電が進まないことがあります。
第2層:ケーブルとコネクタ
曲がる場所を見る。アダプター本体のすぐ後ろと、ノートPCに挿さるプラグの根元。この二か所が最初に傷みます。それぞれをゆっくり曲げながら充電表示を見てください。ちらつくならケーブルです。
コネクタの中を見る。丸型の端子もUSB-Cのポートも、とくに鞄で持ち歩く機器では糸くずが溜まります。電源を切り、木のつまようじなど通電しないもので取り除いてください。金属のピンは使わないでください。
緩みを確認する。少し触れただけで抜ける、あるいは角度によって充電が止まるなら、端子の接点が開いています。
第3層:USB-Cの落とし穴
USB-Cで充電する機器なら、この節でかなりの場合が拾えます。同じ形のコネクタだからといって、同じポートとはかぎりません。
すべてのポートが給電を受けるわけではありません。USB-Cが三つあるノートPCでも、充電できるのは一つか二つ、というのがふつうです。稲妻や電池のマークが付いているのがそれです。表示がない場合は、取扱説明書だけが情報源になります。
ケーブルがその電力を運べる必要があります。データ専用のUSB-Cケーブルはいくらでもあり、給電できてもノートPCに必要な量にまるで届かないものもあります。スマートフォンに付いてきたケーブルが、ここでの典型的な失敗です。
電力のやりとりの交渉が失敗することがあります。USB-Cの充電は、機器とアダプターがどれだけの電力をやりとりするかを合意する仕組みです。この交渉が狂うと、極端に遅い充電か、まったく充電されない状態になります。抜いて、五秒待って、挿しなおしてください。交渉をやりなおさせるだけで、これが対処のすべてだったということがあります。
ワット数が足りないと、使用中は充電されません。65WのノートPCを30Wのアダプターで動かすと、消費が供給を上回るので、システムが「充電中」と表示していてもバッテリーは減ります。電源を切って試すと、これがはっきりします。
第4層:「電源に接続、充電していません」
電力は認識されているのに、セルが満たされていない状態です。不具合ですらないことがよくあります。
充電の上限が設定されている。メーカーのユーティリティには、60〜80%で充電を止めるバッテリー長寿命モードがあります。主要ブランドはどこも名前を変えて用意しています。80%付近で止まるなら、まずここを疑ってください。
温度。熱すぎるときも冷たすぎるときも、バッテリーは充電を拒否します。これは保護であり正しい動作です。長時間のゲームのあとや、寒いところから戻った直後は、室温で三十分置いてから確認してください。
バッテリーのドライバ。Windowsなら、デバイスマネージャーで「Microsoft ACPI 準拠のコントロール方法のバッテリ」を削除して再起動すると、認識しなおします。報告される充電状態がおかしくなっているときに効きます。何も消えないので、安全に試せます。
組み込みコントローラのリセット。電源を抜き、電源ボタンを三十秒押し、つなぎなおします。ノートPCの電源が入らないときと同じ操作で、充電の検出の問題を思っている以上によく解決します。
第5層:バッテリーそのもの
ここまで全部消えましたか。ならばセルか充電回路です。
充電器だけで動くか。取り外せるバッテリーなら外してみてください。外せないなら、電源につないでいれば正常に動くのにバッテリーでは保たない、という状態かどうかを控えてください。それでこの二つが分かれます。
満充電容量を読む。Windowsはpowercfg /batteryreport、Macはシステム情報。設計容量を大きく下回る満充電容量は、不具合ではなく消耗です。読みかたはバッテリーの状態にあります。
新品なら、これは通りやすい申し立て
充電の問題は最も申し立てやすい不具合の部類です。アダプターが原因なら、対応が機器の返送ではなく付属品の交換だけで済むことが多いからです。
だからこそ、調べる順番をきちんとやる価値があります。アダプターなのか本体なのかを確定させれば、販売店は何を送ればよいかすぐわかります。
持っていくもの:
- どの層で失敗したか。アダプターのLED、別のコンセント、別のケーブル、それぞれの結果
- 画面に出た文言をそのまま。「電源に接続、充電していません」と「充電器が認識されません」は別の不具合です
- 何パーセントで止まるか。80%付近なら充電上限の設定である可能性が高いです
- 電源を切った状態なら充電できるか。電力不足と本当の故障が分かれます
- USB-Cなら、どのポートを使ったか
